Title - パブロンの処方変更 -
今年は総合感冒薬が大手メーカーを中心に処方変更されます。
その第一弾が、7月から発売の新パブロンシリーズです。 細かい変更もありますが、特徴の一つとして、 リゾチーム塩酸塩が全体的にカットされます。 誰でも自由に手に取れる商品なので、リゾチームを無くして卵アレルギーのリスクを避けるためでしょう。 順を追って見てみましょう。 ◎パブロンS⇒パブロンSα ![]() ◎成分 ![]() 非常にわかりやすいですね。普通にリゾチームが抜けただけです。 でもなぜか「α」という商品名ですw ◎パブロンSゴールド⇒パブロンSゴールドW ![]() ◎成分 ![]() リゾチームが抜けています。 Sゴールドは、元々ブロムヘキシン配合(去痰剤)を推していましたが、それが無くなっています。 加えて、ノスカピン・dl-メチルエフェドリン塩酸塩(鎮咳薬・気管支拡張剤)がカットされています。 マレイン酸カルビノキサミン・無水カフェイン・ビタミンB1誘導体(抗ヒスタミン・疲労回復、鎮痛補助・体力回復)もカットされています。 代わりに追加されたものが、 アンブロキソール塩酸塩・L-カルボシステイン(共に去痰剤) クロルフェニラミンマレイン酸(抗ヒスタミン) 調剤薬局としての薬剤師視点からすると非常にスッキリとした分かりやすい内容になったと思います。 気道粘膜バリアをWケアという意味で「W」がついているようです。 注意事項として、15才以上の服用量を1回3錠から1回2錠(11~14才の服用量も同様に1回2錠から1回1錠)に減らし、微粒タイプの「パブロンSゴールドW微粒」は柑橘系の風味をつけ、11~14才の服用量を「パブロンSゴールド微粒」の2/3包から1/2包に減らしています。 ◎パブロンゴールドA錠/A微粒⇒パブロンゴールドA〈錠〉/A〈微粒〉 ![]() ◎成分 ![]() リゾチームが抜けています。 マレイン酸カルビノキサミン⇒クロルフェニラミンマレイン酸(抗ヒスタミン) となっています。 ビタミンB1誘導体(体力回復)がカットされています。 グアイフェンシン(去痰剤)が微増しています。 ロングセラー品ですが、そのせいか成分的には少々見劣りします。 グアイフェネシンも医療用は300~900mg/day、一方パブロンゴールドAは150mg/day。 名称は、最後に〈〉がついただけ。 個人的には一番微妙です(笑)高いだけな気もします。 それでも感冒薬の中ではトップレベルの売上なのがOTCの現状です。 ***** こんな感じで、結構変わってきます。 12月には、ルルシリーズも処方変更される予定です。 その中の1つ、ルルEXゴールドはCMキャラクターの変更があるそうです。 ルルアタックシリーズでは、新しく鼻用の商品が8月に発売予定です。 ちなみに、価格崩壊していたパブロンSゴールドですが、Wのなってからは定価販売予定です。 1品単価が200円以上上がり、これだけで粗利が1%もUPします。 競合が崩れた場合は価格を即見直すことでしょう。 PB品も新たに出るでしょうね~。 ***** 余談 去痰剤は似ている様で、微妙に特徴が違います。 簡単にまとめると、 ◎カルボシステイン 気道粘液修復剤。 痰中の糖蛋白の含量を正常化し痰の粘度を下げる。 線毛細胞修復作用もあり痰の輸送を円滑にする。 ◎ブロムヘキシン 気道分泌促進剤 気道分泌液の増大、酸性糖蛋白(粘度に関与)を溶解することにより痰の粘調度を低下させる。 ◎アンブロキソール .気道粘液潤滑剤 ブロムヘキシンの活性代謝物。 肺胞Ⅱ型細胞よりサーファクタント(気道粘膜と痰の間の粘着性を低下させる働きを持つ)の分泌を促進し去痰作用をしめ す。 ◎リゾチーム塩酸塩 酵素製剤 痰の粘調度を低下し去痰作用をしめす。 monologの主テーマ:医薬品・医薬品業界・健康食品・化粧品・薬事法・ドリンク剤、保険業界、ビタミン等。他、日記・雑記です。
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